完全なひとつのために不完全な5つがある。
【アンパルフェ】
バカラというメーカーの
「アンパルフェグラス」をご存知ですか。
アンパルフェ=不完全という意味ですが、
高級ブランドのバカラが不完全とは何事か!
と一瞬思うものの、そのネーミングの意味合いに衝撃を受けました。
アンパルフェグラスは6グラス1セットの商品です。
6グラスの1つがパルフェ=完全、完璧なグラスです。
本来はこのひとつのグラスが売り物なのでしょう。
しかし、それでは他のグラスとあまり差異はないと思います。
わたしがこのグラスに惹かれたのは、残りの5グラス。
そうこれはアンパルフェ=不完全なグラスなんです。
一体、どこが不完全なのかは素人が見てもわかりません。
けれど、バカラの一流の職人からすると不完全で売り物にはならない。
そんな一流の職人が5つも不完全なグラスを経て、完全なグラスを完成させる。
この過程といいますか、ストーリーに感動しました。
これビジネス的にはすごいと思います。
たぶんグラスの原価とかはしれていると思うんです。
けれど、このストーリー、意味合いがすごい価値を生み出している。
これ置いているだけで話のネタにもなります。
しかも、(本当に不完全かはわかりませんが)不完全なグラスも商品にしてしまっている。
秀逸な商品だと思います。
これを見ると、一流職人でもない個人ビジネス初心者は完全でないものをいくつ作ったら
完全なものが作れるのか?
失敗は当たり前、むしろ、どれだけ質の良い失敗が出来るかなのだと思います。
バカラのグラス職人にとってはパルフェグラスも自分の中ではまだまだ
アンパルフェなのだと想像します。
自分のビジネスも同じ、常に発展途上、いくらでも良く出来るんです。
パルフェになるのは、その時の全力でやった一瞬のみ。
1秒後にはアンパルフェになっています。
もっと改善できないか。もっと面白くならないか。
永遠のアンパルフェです。
けれど、永遠にアンパルフェなら、衰退しない。
常に成長し変化し続けます。
パルフェと思った瞬間から、劣化していきます。
サクラダファミリアがいつまでも新鮮なのは、ずっと未完だからです。
個人ビジネスもそんな感覚でやっていくと常に新鮮さを保てます。
さて、アンパルフェグラスとの出会いは私が30代前半に、阪神百貨店のディスプレイに飾ってあるのを見つけた時です。
値段は50万円ぐらいでびっくりしました。
到底買えるお金は持っていなかったのですが、めちゃくちゃ欲しいと思いました。
これを気軽に買えるようになってやる。
そんな思いが、自分でビジネスをするきっかけになった気がします。
ブランド品というのは、こういう物語を作れる、持っているというところが大きな価値なのです。
だから、自分も物語が作れる人生を生きていかないといけないのです。
人生で語れる物語はありますか?
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